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早期退職後の生活を省みて、ものの見え方、心持ち、生き方の変化を確認しながらの日記です。人生、社会の動きにも眼を向けたいと思っています。
羹に懲りる前から膾を吹く・・・反文化的文化祭
 
 O157騒ぎからの動きであります。その年、高校の文化祭では、生徒・職員等に、検便、消毒、食品の管理、火力を使い調理することなど、食中毒を意識した対応がなされました。「そこまでするか」という声もありましたが、一応納得し、食中毒もなく文化祭は無事終了しました。
 今年は、更に、規制が厳しくなりました。一例を申し上げれば「焼きそばに豚肉とキャベツを入れてはならない」という案が出されたそうです。生徒に、そう話しましたら「それ焼きそばじゃないよ」という、ごもっともな感想が返ってきました。焼きそばに豚肉とキャベツを入れるのは日本の食文化です。そして、美味しく食べていただく「もてなし」の心も日本の文化であります。 
 にもかかわらず、カップ麺と変わらぬ焼きそばを作り、食べる者への気遣いもしないで、お金だけは取るのです。「気遣っているから、肉を入れないのだ」という反論が聞こえてきます。それは違います。気遣いとは、己のあるものを捧げて、相手に喜んでもらうことです。この場合、安全で、しかも美味しい焼きそばを作る緊張感を自分に強いることが「もてなしの心」の表れです。最初から、食中毒の危険を排除し、緊張から逃げ、責任は負いたくないという態度には「もてなしの心」は宿っていません。何を捧げると言うのでしょうか。
 「反文化的文化祭」をやろうとしていると、言わなければなりません。この形容矛盾の中に、身を置くことはかなり堪えます、苦痛です。しかし、「羹に懲りて膾を吹く」、いや「羹に懲りる前から膾を吹く」者には分からないなのでしょう。
 落語の「目黒の秋刀魚」に登場する侍役人を連想してしまいました。殿様は農家で焼き秋刀魚をご馳走になりました。それが美味しかったので、城に帰ってから、秋刀魚を所望したわけです。炭火で焼いたさんまの脂を含んだ肉と、焼き焦げた皮のにおいが美味しさの要です。なのに、食あたりと、脂による胃もたれを心配した家臣は、さんまを骨からはずし、肉を蒸して消毒し、脂を抜き固めて団子にし、だしを取り、汁物して差し出したのです。農民食文化に初めて触れ、その味を賞賛した殿様の気持ちを理解できない家臣たちです。その原因は100%の安全とです。しかも、その安全は、殿様のそれではなく、家臣たちの安心と保身に由来しています。
 誰のための、何を学ぶための文化祭なのかを問い直す必要があるのではないでしょうか。先生方には、生徒に視座を置いた仕事を期待します。父親の職人気質を見せ付けられて育った、にわか百姓には、そう見えます。



昨日は9個、本日は通勤と買い物の道すがら17個拾いました。
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コメント
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 「しょうがない」「しかたがない」 は、それぞれ 「仕様がない」「仕方がない」です。つまり、「やりようがない」ということですね。やりようがなくても、諦めてはならないこともあります。負けると分かっていても、戦わなければなればならないことさえあります。
 現在、仕様がないではすまないことばかりになってきました。
2008/06/24(火) 21:54:15 | URL | 八角 #- [ 編集 ]
「面倒から逃げたい気持ちを私は「人間の劣化」「社会の劣化」の本体だと思っても居ます。」というとおりですね。この今の時代に国会を取り囲む人民が存在しないことに恐ろしさを感じます。この国の人々の唯一悪いところは「しょうがない根性」とドイツ人のウォルフレンさんが指摘したのは20年以上前でしたね。韓国の民衆運動を羨ましく思うだけでは問題は解決しないとは思うのですが…、残念!
2008/06/24(火) 20:26:16 | URL | こん #JecAxcZ2 [ 編集 ]
 面倒なことには向き合わず、割り切って、自分の楽しみだけに生きる、そんな生き方を決め込もうと思うこともあります。そうしたって、世の中、問題ないだろうと思ったりもします。しかし、のんな自分を許せない、情けなく思う自分もいます。
 市民、一人一人が面倒を背負う心意気がないと、持たない社会、時代になっているように思います。面倒から逃げたい気持ちを私は「人間の劣化」「社会の劣化」の本体だと思っても居ます。疲れる人生観です。
2008/06/23(月) 18:25:45 | URL | 八角 #- [ 編集 ]
何事にも訴訟につながる時代を尊重しているうおうな文化祭ですね。
訴訟時代を乗り切る一番簡単で安易方法ですが、これを跳ねつけるだけの力や施策が何処にもなく、今の時代では保身と言うより、ごく自然な成り行きのようにも思えてきます。
現実問題として、小児・産婦人科医のなり手がいなくなるのも分かるような気がします。
安心して子育てが出来る社会の確立は、出生率を伸ばし大国“中国”に唯一勝てる項目になるかも知れません。
2008/06/23(月) 09:45:59 | URL | 半農半遊人 #- [ 編集 ]
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